白泉社の「花とゆめ」で、1978年から愛され続けている作品『パタリロ!』。2017年以降もコミックアプリ「マンガPark」で連載中です。※2022年6月現在連載中
黄色い衣装を着たずんぐりむっくりのキャラクター……見覚えがある方も多いのではないでしょうか。
ここでは、『パタリロ!』を全話読んできた私が、その魅力をたっぷりご紹介します。というか、させてください!
「長編の漫画が読みたいけど、30巻くらいじゃ短いな~」なんていう方にもぴったりですよ。
『パタリロ!』とは
作者は『翔んで埼玉』などでも知られる魔夜峰央さん。
常春の国マリネラの国王パタリロが、周囲の人々を巻き込んで騒動を起こすドタバタコメディです。
ギャグありタイムワープありミステリーあり妖怪あり歴史あり! とにかくなんでもありの人気長寿コミックです。
2022年6月現在単行本104巻、文庫版全50巻が発売されています。1982年にはテレビアニメ化もされました。
『パタリロ!』の主な登場人物
作品の主な登場人物はこちら。
パタリロ・ド・マリネール8世
10歳でマリネラ王国の国王となった少年。天才的な頭脳を持ちながら、その性格は超わがままで小銭ラブ。
連載初期は比較的細身だったんですが、気づけばお饅頭体型に(笑) 身体能力も回を追うごとに人間離れしています。
ジャック・バンコラン
常にパタリロに振り回されてるMI6の少佐。長い黒髪と紫のアイシャドウが特徴で、美少年を愛し愛される男。その異名は「美少年殺し(キラー)」。
彼の目を見た美少年は頬を赤らめるのがお決まりです。マライヒと恋人になってからもたびたび浮気しているとかなんとか……。
マライヒ
元殺し屋の少年。戦闘術は高く、頭も切れる。が、バンコラン同様パタリロに振り回される1人です。
ある事件からバンコランと行動を共にするようになり恋人に。浮気ばかりしているバンコランに対して怒ったときは誰も手が付けられなくなるほどのヤキモチ焼きさん。
タマネギ部隊
マリネラ王国の武官部隊で、全員がタマネギの形をしたヘルメットをかぶり、眼鏡をしている。実はその変装をとくと全員美形。エリートの集まりらしいが、パタリロのお世話係になることもしばしば。
個人的な推しは霊感体質の44号。ぬいぐるみ好きとか可愛いかよ!
アーサー・ヒューイット
CIAの腕利き捜査官で、バンコランとは友人。私がこの作品で一番好きなキャラなのですが、ロリコン。しかも病的。
エトランジュ
パタリロの母親。パタリロとは全く似てなくて美人だが、その行動力はパタリロより上かもしれない……。
『パタリロ!』の魅力
100巻以上続く『パタリロ!』には、さまざまな魅力があります!
1.ただのコメディではない!
基本的にはパタリの王宮での出来事がメインで描かれていますが、ミステリー・オカルト・時代もの・アクション・SFなど、とにかくジャンルが豊富で飽きません!
また、70年代後半に連載が始まった作品ながら、同性愛や少年愛などおそらく今よりタブー視されていた内容も盛り込まれています。
頭の良いギャグ漫画だなぁと感じるので、大人になってから読む方が楽しめるかも。
2.キャラクターの個性が強いのに誰も埋もれていない
パタリロを筆頭に、とにかく個性的なキャラクターがたくさん登場します。
眼力で美少年を弱らせたり、12歳以下じゃないとロリって認めなかったり、ゴ〇ブリを普通に口に入れたり……。
それなのに「なんとなく」みたいなキャラクターがいないってすごいと思うんです!
絶対にお気に入りが見つかるし、そのキャラが登場すると「待ってました!」と嬉しくなります。
3.昭和の香りが漂うレトロ感
70年代後半~現在まで連載されているので、時代の移り変わりを感じられるのも魅力です。とても耽美で美しいイラストも相まって、古き良き昭和レトロ感を感じられます。
当然ながら内容が古く感じられる部分もありますが、大丈夫。そうだとしても面白いです。
4.長く楽しめる
連載期間が長いので当たり前なんですけど、長く楽しめます。
長期休みに一気読みするのもおすすめですし、1話1話少しずつ読むのにもおすすめです。
スピンオフも見逃せない
『パタリロ!』には本編とは別にスピンオフ作品がたくさんあります。
「家政夫パタリロ!」シリーズ
多額の借金を返済するために、家政婦派出協会で働くことになった越後屋波多利郎(えちごやぱたりろう)が主人公。
『パパ!? パタリロ!』
エトランジュから赤ん坊を預けられたパタリロが大奮闘します。その赤ん坊はパタリロの弟だというのですが、誰かさんにそっくりで……?
『パタリロ西遊記!』
あの有名な『西遊記』が、パタリロ色強めになって登場。
孫悟空はパタリロ、三蔵法師はマライヒとなっており、バンコランは盤古羅漢(ばんこらかん)という原作にはないキャラクターとなっています。
『パタリロ源氏物語!』
紫式部の『源氏物語』が原作のスピンオフ作品。バンコランをモデルにした光源氏の生きざまが描かれます。
ちなみにパタリロは賀茂波多利郎度摩利音羅(かものぱたりろどまりねら)という陰陽師として登場。な、なが……。
気になる作品があればぜひい読んでみてください!
映像化作品もおすすめ!
テレビアニメ、映画、舞台にもなっている『パタリロ!』。これまたそれぞれに魅力があります!
テレビアニメ版
1982年に放送がスタート。主題歌が印象的で、かつ名曲です。
19時台に放送されていたそうなのですが、あの内容をゴールデンにやってたの……!? と驚き。だって、ベッドシーンとかあるんですよ。
パタリロ役は白石冬美さん、バンコラン役は曽我部和恭さん、マライヒ役は藤田淑子さんが演じられました。みなさん亡くなられていることが残念でなりません……。
タマネギ部隊には、古川登志夫さんや古谷徹さん、神谷明さんといった当時新人だった大御所声優の方々が登場しています。
劇場版アニメ『パタリロ! スターダスト計画』
文庫版2巻に収録されている「スターダスト」が1983年に劇場版アニメ化。作者の魔夜峰央さんもゲストとして登場します。
本編は1時間もないのですが、壮大なスケールとお決まりのギャグがふんだんに盛り込まれているので見ごたえがあります!
舞台版
あのハチャメチャワールドが舞台になるとは……! あぁ、実際に見に行きたかった(涙)
2016年と2018年に上演されており、加藤諒さんがパタリロ、青木玄徳さんがバンコラン、佐奈宏紀さんがマライヒを演じられました。いや、加藤諒さんハマり役すぎです(笑)
実写映画版
舞台キャストそのままで実写化。神奈川に住んでいるのにわざわざ豊洲まで見に行きましたよ~!(上映劇場が少なすぎる)
ギュウギュウに詰め込んだけど、結局詰め込み切れなかったから原作読んでね的な内容最高でした。
お子さん連れや彼氏と、なんて方が結構いたのですが大丈夫でしたかね。『翔んで埼玉』よりある意味刺激強めだったと思うんですよ。
足を踏み入れたら絶対にハマる
ただのギャグ漫画かと思いきや、知的でセンスの塊。それが『パタリロ!』です。
一度読めば絶対にハマること間違いなしの名作を、ぜひ手に取ってみてください。
私はこれからも追い続けます!