名作に出会った!『チョコレートドーナツ』感想

映画『チョコレートドーナツ』感想映画

こんなに胸を打たれた映画に出会ったのは何年ぶりでしょう……!

ここでは、2012年にアメリカで公開された映画『チョコレートドーナツ』(原題『Any Day Now』)をご紹介します。ネタバレになる箇所もありますので、ご注意ください。

ちなみに私は映画評論家でもなんでもないので、完全に一般人の感想です。その辺りはご了承ください。

『チョコレートドーナツ』あらすじ

歌手を夢見るも、ショーパブで口パクのダンサーとして働いていたゲイのルディは、ショーを見ていた弁護士のポールと恋に落ちる。

翌朝、隣の部屋に住むダウン症の少年マルコと出会ったルディ。マルコは、夜中に恋人と出て行った母親の帰りをずっと待っていたのだった。
ところがその日、その母親が麻薬使用の罪で逮捕。マルコは家庭局に連れて行かれてしまう。

深夜。ポールの運転する車に乗っていたルディは、施設を抜け出し家に帰ろうと一人歩くマルコを見つける。
その姿に心を痛めたルディはポールを説得。2人は「従兄弟同士」と偽り手続きを進め、マルコと暮らすことになる。
3人は本当の家族のように、幸せな日々を送っていたが……。

『チョコレートドーナツ』登場人物

ルディ(アラン・カミング)

高い歌唱力を持ち歌手を夢見るものの、ショーパブの口パクダンサーとして働いている。
ポールとともにマルコを引き取り、本当の子供のように愛する。

アラン・カミングの演技力と歌唱力の高さよ……!
語彙力が無くてうまく言えないのですが、にじみ出る女性っぽさというか、ゲイっぽさがすごく良かった!
ルディはこの人じゃなきゃダメだっただろうと思えるほどハマっていました。

ポール(ギャレット・ディラハント)

弁護士でルディの恋人。自身がゲイであることは周囲には隠している。
ルディとともにマルコを家族として迎える。

第一印象は、石黒賢さんっぽい。
正直ルディほどの強い印象はなかったものの、ルディとマルコのために戦う姿はカッコ良かったです。

マルコ(アイザック・レイヴァ)

母親に育児放棄されたダウン症の少年。チョコレートドーナツ、人形のアシュリー、ディスコダンス、ハッピーエンドの物語が好き。

セリフは多くないですが、表情で魅せる演技がとても印象的。
笑顔は可愛らしく、一方でラストシーンで見せる表情には胸をキュッとさせられました。

『チョコレートドーナツ』ストーリーまとめ

かなり端折っていますが、思いっきりネタバレしていますのでご注意ください。

家族となった3人の生活

マルコを引き取ったルディとポール。2人は、マルコのことを本当の子供のように愛していました。
視力が悪いことが分かったマルコに眼鏡を与え、学校にも通わせます。
食事を共にし、ハロウィンパーティーをし、海に行き……その姿は本当の家族そのものです。

しかし、その幸せは長く続きません。

残酷な世間の目

3人が幸せに暮らしていたのも束の間、ポールが同性愛者だと上司のウィルソンに知られてしまいます。
ポールは弁護士事務所をクビになり、マルコは家庭局に連れ戻されてしまいます。

裁判で、マルコの監護権を求めるルディとポール。
一度は風向きが良くなるものの、二度目の裁判では友人やウィルソンたちの証言によって再び逆風が……。
「ゲイカップルが子供を育てることは、悪影響を与える」
自分たちの私生活や過去を晒し、それでもマルコへの確かな愛情を主張するものの、受け入れてもらえません。

報われない、悲しい結末

結局、服役中だったはずのマルコの母親が登場したことで、ルディとポールは監護権を手にできないまま裁判は終わります。
服役期間を短くする代わりに裁判に出るよう、母親に手が回っていたのです。

数日後。逮捕前と同じように男と麻薬を使うマルコの母親。
外に出てるよう言われたマルコは、人形を抱えて歩き出します。

ポールは、裁判に関わった人々に手紙を出していました。
母親に家を追い出されたマルコが、ルディとポールを探すために歩き続け、亡くなっていたのです。
夢を叶え歌手となったルディは、マルコを思いステージの上で力強く歌うのでした。

『チョコレートドーナツ』感想

非常に素晴らしい、だけど考えさせられる内容でした。

家族になった3人は本当に幸せそうで、見ているこちらも幸せな気持ちになるほどでした。
本作を見てもっとも衝撃を受けたのは、マルコに対するルディの美しい眼差しです。
男性も女性も関係ない。優しさや愛に溢れたその顔は、間違いなく本物の家族に向けられたもののように感じました。

3人の幸せな時間がずっと続いてほしいと願っていました。
が、物語がどんな展開を迎えるかはなんとなく予想していたんですよね。
試練の連続。ゲイカップルへの好奇の目や偏見、差別。もうどんどん悲しい方向に向かっていく。
ラストシーンはさすがに予想していなかったので、号泣です。
マルコを思い歌うルディと、夜の街を一人さまようマルコのことを考えると、あまりにもやるせないラストでした。

舞台は1979年。同性愛や障害児に対して、世間の目が今よりもっと差別的だった時代だと思います。
もしこの物語の舞台が今だったら、もう少し違う結末になっていたのでしょうか……。
物語の上では、ポールの上司や裁判官などが悪者に見えてしまいます。
でも、もしかしたら自分も知らない間に誰かを偏見の目で見ているかもしれないし、誰かを無意識に傷つけたことがあるかもしれない。
そう思ったら誰のことも悪くは言えませんでした。
(いや、マルコの母親に関しては完全な犯罪だけど)

このやるせなさをどこにぶつけたらいいのか!と思って、私はとりあえず「この作品を見てくれ」と上司に紹介しました(なんで)

私、普段ヒューマンストーリーってほとんど見ないんです。ハッピーエンドだったとしても多くの感情や思いを受け取ってしまうので、疲れてしまうんですよね。
5時に起きて以降眠れなくなった日に、本当にたまたま見たんです。
「この作品、たしかヒガシ主演で舞台になったやつだな。もう今から二度寝もできないし、90分くらいなら見てみるか」って。
そのときの自分を褒めてあげたい。いい作品に出会えたよって(笑)

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