コミックエッセイ『泣きたい夜の甘味処』|疲れた心に甘いものと優しい物語を

コミックエッセイ『泣きたい夜の甘味処』を紹介 漫画

「なんだかうまくいかない、今のままでいいんだろうか……」そう思っているあなたにおすすめしたい漫画があります。

中山有香里さんの『泣きたい夜の甘味処』をご紹介します。

今、自分が置かれている状況に迷い悩んでいるあなたに、ぜひ読んでほしいです。

『泣きたい夜の甘味処』とは

町の片隅にある甘味処は、夜にしか開かない。そこを訪れる人たちは、温かい飲み物と甘味に身も心も癒やされていくーー。

現役看護師である中山有香里さんの作品(2023年3月時点のInstagram情報)。私がここ最近読んだ作品の中で、一番心が満たされた漫画です。

お客さんはそれぞれ、悩みを抱えていたり精神的に参っていたり、さまざまな状況の中でお店を訪れます。そして、店主のクマと鮭(なんで!)が提供してくれた甘味を食べながら、自分の気持ちと向き合っていきます。

何度読んでも泣けてくる。胃の中から手当てされているような、甘味の力が詰まってる。――末次由紀

『泣きたい夜の甘味処』帯より

『ちはやふる』で知られる漫画家の末次由紀さんの推薦文には共感しかありませんでした。日々、誰かに寄り添う看護師さんだからこそ描ける作品なのではないでしょうか。

「疲れたときには甘いもの」なんて言いますが、適当な言葉より心を満たしてくれることもあります。こういうのって、高級なスイーツとかじゃなくてもいいんですよね。なんだろう、結局甘いもの最強なんですよ!(太るかもしれないことは置いておく)

『泣きたい夜の甘味処』の魅力

作品の魅力をご紹介します。

自分にも刺さる物語がある

仕事に悩む人、夫に先立たれた妻、子育てに翻弄される主婦など、さまざまな事情を抱えているお客さん描かれています。

まったく同じとはいかないかもしれませんが、自分の悩みに近いものがきっとあるはず。

自分と重ねてみたら泣けるし、自分の境遇には全く当てはまらなくても泣けるし、とにかく心打たれちゃうんです。

「このままでいいのか」と悩んだときに、そっと寄り添ってくれます。

おいしそうな甘味の数々(うれしいレシピ付き)

毎話、甘味が必ず1つ登場します。いちご大福やドーナツといった定番スイーツはもちろん、梅酒のゼリーや栗きんとんのパイといった凝ったものも。

温かみのあるイラストで表現されるそれらは、物語の中でより一層おいしそうに見えます。

お話を読んだ後には、登場した甘味のレシピも載っており、自分で再現することができるのもうれしいポイントです。

本編のアナザーストーリーが描かれる

本作では、店を訪れるお客さん視点の物語だけでなく、そのお客さんに関わりのある人たちのアナザーストーリーも描かれます。

別の人の視点で物語を見ることで、より登場人物の背景を知ることができますし、それを読むことでまた涙して……なんてこともありました。

気づいていないだけで、自分のことを気にかけてくれる人がいるのかもしれない、少しかもしれないけど誰かに影響を与えることができていたのかもしれない、と思ったらなんだか救われました。

癒やしの時間をあなたに

ずっと走っていれば誰だって疲れてしまうものです。

そんなときは一度立ち止まって、この漫画を読んでみてはいかがでしょうか。きっとあなたの心を癒やしてくれます。

温かい飲み物と甘いものの用意はお忘れなく。

タイトルとURLをコピーしました