【トラウマになる!?】怖い絵本に思わずゾッとする

【トラウマになる!?】怖い絵本に思わずゾッとする 本・書籍

読めばその恐怖がトラウマに!? 怖い絵本をご紹介します。

得体のしれないもの、日本の妖怪、そして海外の作品も。ただ怖いだけじゃない、ユーモアのある作品もありますよ。
お子さんに読み聞かせる場合は、大人が先に読んでみてから判断してくださいね。

日本の怖い絵本

『おともだち できた?』

知らない街に、家族と一緒に引っ越してきた女の子。家族は女の子に、早く友達を作ってほしいみたいだけど……。

ミステリー・ホラー作品も数多く手掛ける恩田陸さん作の絵本。

「ともだちできた?」と聞かれ、「できたよ」という女の子の不気味な表情にドキッ……。しかしそのともだちは、だれにも見えません。そして、女の子が明るくなっていくのに対し、周りはどんどん不穏な空気になっていきます。

ササっと一回読んだだけでは「え、何が怖かったの?」となるかもしれません。ぜひ、女の子の周囲に注目してください。
多くは語られないので、人によって解釈も変わるかもしれませんが、私が本作を読んで感じたのは「自分の子供から、どうか目を離さないで」ということでした。

『いるの いないの』

「百鬼夜行」シリーズなどで知られる作家・京極夏彦さんが手がけた絵本。田舎にあるおばあちゃんの家で過ごすことになった男の子の様子を描いています。
梁の上が気になる男の子。そこには何か「いる」のでしょうか。

うつろな目をした男の子。顔の見えないおばあちゃん。家の中にいるたくさんの猫。じとっとした雰囲気。町田尚子さんのイラストに想像力を掻き立てられ、より一層不穏な空気を感じます。

最後! 最後がもう「ビクッ」ってなっちゃうんですよ。初めて読んだときは衝撃的でしたね。ぜひネタバレなど知らない状態で読んでほしいです。

それにしても、かやぶき屋根の広~い日本家屋って、どうしてこんなに怖い感じがするんでしょう……。

『わかってほしい』

かつて父親に虐待を受けていたというMOMOさんの絵本。

真っ赤なページに描かれるのは、読み進めるごとにボロボロになっていくクマのぬいぐるみ。そして、重なる白い文字と黒い文字。
現実を受け入れるしかないと思う理性的な言葉と、悲しみや憎しみが込められた本音が生々しく描かれます。

私自身は両親に暴力を振るわれた経験がないので、何を書いても薄っぺらくなっちゃうんですが、内容にひどく胸を締め付けられました。
負の連鎖が止まってくれたらと思う反面、きっとこの絵本は届いてほしいところに届かないのかもしれない……と、なんとも言えない気持ちになりました。

今回は怖い絵本として紹介していますが、広く知られてほしい作品です。

『たべてあげる』

ピーマンが嫌いなりょうたくんの前に現れたのは、ちいさなりょうたくん。りょうたくんに代わってピーマンを食べてくれました。
その後も、りょうたくんの嫌いなものを代わりに全~部食べてくれるちいさなりょうたくん。だけど、少しずつ大きくなってきて……?

子供の「好き嫌い」をテーマにしたユーモアあふれる奇妙な絵本。イラストはポップな雰囲気ですが、なかなかショッキングです。
ラストに待ち受ける展開はある程度読めたものの、それでもやっぱり怖いなと思いましたね。最後、りょうたくんはどうなっちゃたんでしょうか。

好き嫌いの多い子がこの絵本を読んで、食事まで嫌いにならないかはちょっと心配ですが、大人になった私的には癖になる作品でした。

『ざしきわらし』

栄えていた山口村の孫左衛門の家が、座敷童がいなくなったことで衰退していくさまを、美しくも恐ろしく描いた絵本です。童女たちの美しい着物と、怪しい大きな目に引き込まれました。

座敷童=いるといいことがある、と思っている方も多いのではないでしょうか。たしかに座敷童がいるときはいいけれど、そのあとは……?

孫左衛門の家には2人の童女が住んでおり、とても繁栄していました。しかし童女たちが家を去ると、立て続けに不幸なことが続き、あっという間に没落してしまいます。その様子が恐ろしいのなんの。

絵本の中では描かれていませんが、座敷童がその家を去ろうとする理由は何だったんだろう、と。どうにかして引きとめる方法があるのなら、孫左衛門の家も栄えたままだったのでしょうか。

『雪女』

吹雪に見舞われた木こりの茂作と巳之吉は、近くにあった小屋で寝ることに。まだ若い巳之吉が目を覚ますと、長い髪の美しい女が茂作に息を吹きかけていて……。

作者を変えて多くの絵本が存在する『雪女』ですが、個人的に一番怖いなと感じたのが伊勢英子さんが絵、平井呈一さんが訳を担当している本作でした。もう、表紙の流し目だけでも怖い。ぼうっとした光も、美しいけれどなんとも恐ろしい。

だけどこの物語の切ない部分が随所ににじみ出ていて、読み終わった後にはため息が出ていました。「巳之吉、お願いだから何も言わないで……!」と、何度心の中で祈ったことか。

怖いだけじゃない、悲しくて美しい物語をお探しの方はぜひ読んでみてください。

こっちをみてる。

自分にしか見えない、たくさんの顔。家の中、学校の中、外にもたくさんの顔がある。
いつしか顔は、自分のことだけを見るようになった――。

と、とんでもない絵本が登場しました……!
本作は、岩崎書店が主催した怪談えほんコンテストで大賞を受賞した、となりそうしちさんの作品です。
イラストを担当しているのは、『富江』や『うずまき』などのホラー漫画で知られる伊藤潤二さん。こんなのもう、怖いに決まってます。

物語の中にはたくさんの顔が。もう本当にたくさんの顔が「ぼく」を見てくるのです。

ラストをなんとなく予想しながらページをめくりましたが、あ~~やっぱり! 思わず「うわっ」と小さな悲鳴をあげてしまいました。

海外の怖い絵本

『おぞましい二人』

海外の怖い絵本といえば、エドワード・ゴーリー。残酷、不条理な世界を描かせたら右に出るものはいません!
本作はそんなゴーリーが、イギリスで実際に起こった「ムーアズ殺人事件」をもとに描いた絵本です。

子供のころから小動物を虐待するなどの犯罪を繰り返してきた男と、家庭環境に恵まれずに育った女が出会い、悲劇を生み出します。

子供たちを計画的に殺していくというあまりに残虐な内容と、犯罪者として裁判にかけられた2人の救いようのない結末には驚きました。お子さんへの読み聞かせにはおすすめできません。
ただ、恐ろしいと思うのに、なぜか読む手が止まらなくなる作品です。

『どこいったん』

大切にしていた赤い帽子を探しているくま。いろんな動物に「ぼくのぼうし どこいったん?」と聞いて回ります。赤い帽子を被ったうさぎにも、同じように声をかけると……?

関西弁で翻訳されているからこそ、面白い! そして、赤を使うタイミング絶妙! ブラックユーモアあふれる作品です。

ぼーっとしているくまが、同じ言葉で淡々と動物たちに質問していきます。なんだかそれもちょっと怖いんですよね。そして最後「え、そういうこと!?」と衝撃が走りました。

以前、友人のお子さんがこの絵本を読んだとき、大人たちとは違う反応だったんです。大人だからこそ分かる怖さのある本なのだと思います。
とはいえ言葉で説明があるわけでもないので、人によってラストは変わる、ということで。

『ぼうぼうあたま』

長~いもじゃもじゃ髪と、長~い爪の子供が印象的な、ドイツの絵本。『もじゃもじゃペーター』という名前でも絵本が刊行されています。

さまざまなお話が収録されており、韻を踏んだ言葉の数々は、読んでいて気持ちのいいものです。
ただし、マッチを使って火遊びをしていた子供が焼け死んでしまったり、指しゃぶりをやめない子供が指を切られてしまったり、「悪いことしていると、こんな風になっちゃうよ!」と、刺激強めに教えてくれます。
しつけ絵本とのことですが、これは小さいお子さんが読んだらトラウマになりそうです(汗)

大人になってから読むと、また違った見え方がするのが良かったですね。

読むときにはご注意を

思わず震えるような怖い物語。一人、夜中に読んだら寝られなくなるかもしれないので、ご注意を。

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